足るを知る
中国の思想の本流は、王朝の為政者などに支持されていた、
「孔子」を始めとする儒教、
これに対して個人の処世の問題、生き方を説いているのが道家思想、つまり道教。
この道教の成立に深く関わっている「老荘思想」、
つまり、『老子』と「荘子」を一つに纏めた思想のこと。
この『老子』の中にも度々登場する、『足るを知る』
例えば、
「足るを知る者は富み」
「足るを知らば自ずから失わず」
「足るを知らば辱しめられず」
「禍は足るを知らざるより大なるは莫し」
と非常に感慨深い言葉の数々。
このように老荘思想には、現代でも通用する処世術が多くあります。
ここで、私自身が日々実践している、「足るを知る」、を紹介させていただきます。
実践 足るを知る
物質編
- 欲しいものと、必要なものの分別
- 購入前に今一度、必要か否かを自問自答してみる
- すべてのものは、無常と心得よう
- 断捨離の本質は、ものを極端に減らすことではなく、ものに執着しない自由な心をもつこと
- ものにも寿命がある、感謝して別れを告げよう
情報編
- 情報の過多、氾濫したこの時世だからこそ、選別と断捨離が必要
- 情報もまた、タダではないと心得る
- 情報を鵜呑みにするのではなく、咀嚼する力を身につける
- アウトプット(有益な情報の共有)をすることで、新しいインプット(気づき、ひらめき)が得られる
- 情報にも寿命がある、最新情報にアップデートしよう(例えば、医学や食学の定義など)
最後に
『足るを知る』生活は、今この瞬間から簡単に始められます。
禅語に「日々是好日」という素晴らしい言葉があります。
この言葉もまた、「足るを知る」に通づる部分があるように思います。
良きも悪しきもあるがままを受け入れる深い心、
全ては自分自身が生み出しだものと心得る、
過去に縛られ、将来を思い悩み苦しむ必要はない、
ただこの刹那を精一杯生きること、
これらの積み重ねだけが、美しい未来という門の、唯一の鍵なのだから。
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